【海雲台(韓国)9日=村上幸将】俳優オダギリジョー(35)と“韓流四天王”の1人、チャン・ドンゴン(39)が第16回釜山国際映画祭開催中の海雲台ビーチで、ダブル主演映画「マイウェイ

 12000キロの真実」(カン・ジェギュ監督、12年1月14日公開)のオープントークショーを行った。レッドカーペットイベント、製作発表会見を経た最後のイベントで、オダギリはジョーク連発の爆笑トークを展開。3000人の観客はもちろん、チャン・ドンゴンも笑わせた。

 満月に照らされて輝く海雲台の砂浜が、爆笑に包まれた。オダギリがファンの質問に答えようとしたとき、チャン・ドンゴンが水を飲んだだけで「オォーッ」と歓声が起こると、苦笑いしながら突っ込んだ。

 オダギリ

 僕がしゃべりだそうとしても、ドンゴン氏が水を飲めばすべてそっちに行くわけで…。僕の人気なんて、大したことないとは分かっています。謙虚にそう受け止めているつもりです。韓国、日本の人が何を求めてるかも分からないし、意識してないですね。

 皮肉っぽく突っ込んだオダギリだが、韓国での人気は高い。09年公開の韓国映画「悲夢」に主演したほか、「ゆれる」など出演した邦画も幅広い支持を集め、チャン・ドンゴンも長年、共演を熱望し続けていた。

 日本国内ではクールなキャラのオダギリが、ぶっちゃけトークした裏には、日本とは違う韓国映画界の雰囲気があるようだ。

 オダギリ

 すごく仲良くなれるスタッフが多い。日本のスタッフとは、そんなに何回も飲む機会は生まれないけど、今回は長いというのもあったのか、スタッフと飲みに行くことも出来た。距離感が近いのは差があるかもしれない。

 隣で聞いていたチャン・ドンゴンは、映画祭が開幕した6日のレッドカーペットイベント後に飲み会をしたことを明かした。

 チャン・ドンゴン

 普通はあまり外に出てお酒を飲みに行かないんですけど、屋台で監督とオダギリさんと朝まで、焼酎とビールと割った爆弾酒(韓国特有のカクテル)を飲みました。

 和気あいあいとしたファンとのふれあいの中、オダギリは日本のエンターテインメント界へ、警鐘とも取れる言葉も投げかけた。

 オダギリ

 すごく強く思うのは、韓国のみなさんは映画やテレビドラマが好きなんでしょうね。ドラマも毎日、いろいろな時間にやってるし週に2、3本も同じものを放送している。日本はドラマが全然視聴率を取れないし、映画にもお客さんが入らないし、現状を比べると(韓国の)豊かな土壌がうらやましく思う。

 40分のトークを終えたオダギリは「こんなにたくさんの方が集まると思ってなかったので、とてもビックリしたしうれしく思う。僕はデジクッパが大好きです」と最後まで涼しげに去った。