韓国俳優クォン・サンウ(35)が18日、都内で行われた主演映画「痛み」(クァク・キョンテク監督、来年2月11日公開)のジャパンプレミア試写会に登場した。出演10作目となる同映画で、プロモーションでは5年ぶりとなる来日を果たした。

 ファン約1800人の歓声に迎えられ笑顔で登壇した。「新しい映画を紹介できてとてもうれしい。あまり格好のよくない僕ですが、新しい挑戦でした」。

 映画は、幼い時の交通事故で家族を失い、後遺症で痛みを感じなくなった男の物語。“殴られ屋”として生計を立てる無気力な毎日。取り立て先である女性(チョン・リョウォン)と知り合うが、彼女はわずかな出血が致命傷となる血友病を患っていた。互いの痛みを知り、愛を深めていく。端正な顔立ちのサンウが、思いきり殴られてアザをつくるなど、熱狂的なファンの悲鳴が聞こえてきそうな場面がスクリーンに次々と映しだされる。「無痛症の男が違う痛みを感じるところに興味を持った」。

 韓国では、今年9月に公開され、約70万人を動員した。韓国国内で「恋愛映画はヒットしない」といわれる中、09年の代表作「悲しみよりもっと悲しい物語」と並ぶ動員を記録。涙を流さず、心で泣くと評された演技が感動を呼んだ。サンウも「これまでの自分にとって最高の作品です」と胸を張った。

 プレミア試写会は、2回開催でファン4000人が駆け付けた。今日19日に大阪・堺市でも開催し、その後、北京で新作の映画撮影が待っており、とんぼ返りする。【斎藤暢也】

 ◆クォン・サンウ

 1976年8月5日、韓国・大田市生まれ。漢南大で美術を専攻。01年ドラマ「おいしいプロポーズ」で注目され、同年「火山高」で映画デビュー。日本では04年、チェ・ジウと共演したドラマ「天国の階段」で人気獲得。10年ドラマ「レディプレジデント~大物」でSBS最優秀演技賞。映画代表作は09年「悲しみよりもっと悲しい物語」。08年にミスコリア出身のソン・テヨンと結婚。09年に長男誕生。183センチ。血液型A。