ファンタジーの名作「魔女の宅急便」の実写版映画(14年公開、清水崇監督)の香川・小豆島ロケがこのほど公開された。デビュー2年目の女優小芝風花(16)が主人公キキ役で映画初出演するが、原作者の角野栄子氏(78)は“小芝キキ”を絶賛。アニメ、ミュージカルに続く実写版に大きな期待を寄せた。

 青い瀬戸内海を見下ろす高台に、キキが暮らすパン屋「グーチョキパン」のセットがある。角野氏は「どこの国の話でもないけど『日本ではどうかな?』と思っていた。ところが、ビックリ!

 すばらしいロケーション。店の中に本当にキキが座っていそう。ここから彼女が飛んでいくのが、すごい楽しみです」と興奮気味に語った。小芝についても「すごくかわいい。オーディションの時より、ずっとずっとかわいくなって」とべた褒めだ。

 配役決定時に「号泣した」という小芝も、5月30日のクランクインから撮影に参加し、現場に慣れた様子で笑顔も見せた。「角野さんのキキをどう見せられるか。新しい魔女の宅急便が作れたら、と思います」。清水崇監督も「世間にはアニメのイメージがガチガチにあるでしょう。そこにホラー畑の僕が監督…。無謀づくしですが、オリジナルのイメージがかなり見えてきました」と手応えを口にした。【加藤裕一】

 ◆小芝風花(こしば・ふうか)1997年(平9)4月16日、大阪府生まれ。11年「ガールズオーディション」でグランプリ受賞。12年フジテレビ系ドラマ「息もできない夏」で女優デビュー。ソフトバンク「ホワイト学割」のCM出演中。特技はフィギュアスケート。155センチ。血液型A。

 ◆「魔女の宅急便」

 原作は角野栄子の同名小説(85年から全6巻)。魔女の血を引く少女キキ(小芝風花)が「13歳で独り立ち」というおきてに従い、黒猫ジジと海辺の町コリコへ。使える魔法はほうきで空を飛ぶことだけ。パン店のおかみおソノ(尾野真千子)らの力を借りて「魔女の宅急便」を始めるが-。89年に宮崎駿監督のアニメ映画が大ヒット。93年には蜷川幸雄演出のミュージカル作品が上演された。