第27回東京国際映画祭クロージングセレモニーが10月31日、都内で行われ、コンペティション部門出品「紙の月」(吉田大八監督、15日公開)主演の宮沢りえ(41)が最優秀女優賞を受賞した。日本人の受賞は03年「ヴァイブレータ」の寺島しのぶ以来11年ぶり4人目。作品も観客賞を受賞し、2冠を獲得した。

 黒の着物姿の宮沢は受賞の瞬間涙ぐみ、左手で胸を押さえて登壇した。「いやぁ…何か震えています。おみくじで大吉を引いた時『やったー!』と思う中で自分を引き締めなきゃ、という気持ちと似ています」と喜んだ。審査員イ・ジェハン氏は「満場一致。非常に意義深く奥深い演技。言葉に表せないほど美しい」と絶賛した。7年ぶりの映画主演。「とても不安で緊張もあったんですけど吉田監督の粘り強い、厳しい…でも愛がたくさんこもった演出で、手ごわい役を乗り越えられた。トロフィーを半分に出来るなら最優秀演出賞として渡したい」と言い吉田監督と抱き合った。