「バッ、バッ、バッ、バッ…」。いつものように博多駅の博多口を出ると、異様な爆音が鳴り響いていた。上空を見ると、ヘリコプターが3機ほど旋回していた。あきらかに博多駅をターゲットにしていた。「そういえば、朝、通りが陥没したというニュースが流れていたっけ」。そんなのんきな気持ちで家を出ていたのだが、一変した。にわかに人が集まっている。すでに警察によりロープが張られていたが、のぞき込むように見ると、かすかに道路がなくなっているのが分かった。会社から歩いて3分もかからない場所。2車線と1車線が交わる交差点が丸ごと陥没していた。

 記者根性から、写真を撮りたいと周囲を歩いて回ったがロープが張られて近づけない。道路は封鎖され、テレビ局を含めて報道陣もにわかに集まっていた。なんとか上から撮りたいと近くの駐車場に昇ろうとしたが警察官に止められた。するとショッキングなアナウンスが耳に届いた。「ガス漏れの可能性があります。ライターなど火気の使用はなさらないでください」。確かにガスくさい。誰かがライターをつけようもんなら…。ちょっとした恐怖も覚えた。

 テレビ局が集まっている場所にいても陥没は見えない。すると正面に見える博多駅ビルの屋上に人だかりがある。「あそこからなら陥没が見えるはず」。急いで移動してみると、想像以上にぽっかり沈んでいた。周囲の人からも「すげえ。これは大変やん」とスマートフォンで写真を撮っていた。

 朝方は小雨だったが、だんだん本降りになってくる。陥没部分もだんだん雨がたまっているのも分かった。不安は募るばかりだ。

 福岡市ではオフィス街で知られる博多駅博多口。昼間は多くのビジネスマンが行き交う。さらに夜は繁華街中洲へと向かう道路でもある。その交差点が陥没した。早朝だったからいいものの、時間帯が違っていれば、間違いなく大惨事になっていた。新たに天神地区から中洲を通って博多駅につながる地下鉄工事の真っ最中に起きた事故。海外で流れるこの手のニュースは対岸の火事くらいに思っていたが人ごとではない。【浦田由紀夫】