大西洋を航行中のクルーズ船でネズミなどの齧歯類が媒介する「ハンタウイルス」の集団感染疑いが出ていることを巡り、世界保健機関(WHO)は5日、濃厚接触による船内でのヒトからヒトへの感染が起きた可能性も排除せずに調査を進めていると明らかにした。一方で「一般市民へのリスクは低い」としている。

クルーズ船はオランダに拠点がある会社が運航。同社によると、船には約150人が乗り、客には英国人や米国人が多く、日本人も1人含まれる。日本人が感染疑い例に含まれるかどうかは不明。

WHOによると、感染した可能性があるのは計7人となり、うち2人で感染が確認された。7人のうち3人が死亡、1人が南アフリカで集中治療を受けている。死亡したのはオランダ人の夫婦とドイツ人で、残る3人は軽症とされる。乗客には予防措置として自室待機が指示されている。

同社によると、アルゼンチンから南極地方に立ち寄り、アフリカ西部の島国カボベルデへ向かっていた。

ハンタウイルスはネズミにかまれたり、排せつ物に触れたりすることで感染し、発熱や深刻な呼吸器疾患を発症することがある。まれにヒトからヒトにも感染するとされる。

クルーズ船はカボベルデへの入港を許可されておらず、カボベルデ沖に停泊している。(共同)