「プロレスのように、出された技は受けなければ。かわすばかりではいけない」。民進党の野田佳彦幹事長は4月30日、千葉市の幕張メッセで行われた「ニコニコ超会議」の企画で、プロレスラー藤波辰爾(63)と対談した際、プロレスの技を例に、野党の追及を正面から受け止めるよう、安倍晋三首相に求めた。

 野田氏は、数々の名勝負を生んだ藤波と長州力の試合を持ち出し「2人は信頼感を持ちながら激しい試合をした。我々も同じ国の政治家同士。信頼感を持たなければ」と主張。藤波が「サンドバッグのように蹴られた」と振り返った前田日明の試合を「ベストファイトの1つ」と述べ、「『受けの迫力』に、鳥肌が立った。民進党も受けに強くなければいけない」と強調。9日の参院予算委員会で蓮舫代表と首相の直接対決が予定されており、「リアル蓮舫には首相といい論戦をしてほしい」と述べた。

 「自民党ばかりが強くてはいけない。切磋琢磨(せっさたくま)から、新しい技も生まれる。わが党も頑張りたい」と、自省の弁も。「藤波さんはドラゴン、アントニオ猪木さんは燃える闘魂というキーワードがある。鮮烈なメッセージは、人から何か言われるようになれば本物だ。本物に応えられるような訴えをしなければ」とも述べた。

 野田氏は大のプロレス好き。藤波とは初対面で「一生の思い出」と興奮気味だった。故ジャンボ鶴田さんのファンで、「藤波対鶴田の試合が1度見たかった」とも。藤波は「ロープがあれば緊張しなかった」と苦笑いしつつ、求めに応じて大西健介青年局長らに必殺技ドラゴンスリーパーを仕掛け、歓声を浴びた。【中山知子】