エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

   ◇   ◇   ◇

ここまでで、育成能力を含めた募集馬の能力評価は終了する。

最後に応募候補馬として残った馬について、その馬が競馬のレースで実際どのような走りができる馬なのかを、各馬の全体像から自分なりに推理するようにしている。

現実の競馬のレースが16頭立てとすれば、勝つ確率は基本的に16分の1しかない。すなわち確率的には16回走って1度しか勝つことができない。勝利がこれほど厳しいレースで、「自分から走る気を出し、キリッとして他馬に怯まず集中して走り、良い筋肉と血統と馬体と走法を生かして勝てそうな馬」なのか?

あるいは「自分から走る気が薄くてダラッとしたり他馬にひるんだりし、あるいはいずれかの能力が乏しく、レースでしっかり走ることができずに負けてしまいそうな馬」なのか?

理論ベースで選別した馬を、本番をイメージした観点で、感覚を働かせて最後にもう一度チェックしてみる。

言うまでもないことだが、応募すべきは前者である。もし応募候補馬に後者のにおいを感じたとすれば、速く走って勝つために必要な、育成能力を加えた前記7能力のどれかに欠けている可能性がある。見落としがないか改めて能力評価をし直し、欠けている能力があれば、勇気を持って応募を思いとどまるのが賢明かもしれない。

2021年の大阪杯を制したレイパパレ
2021年の大阪杯を制したレイパパレ