本田さんにもっと認められたいんです!

 日本代表FW柿谷曜一朗(23=C大阪)が7日、トップ下を務めるエースFW本田圭佑(27=CSKAモスクワ)とのホットライン強化を目指すことを明かした。前日6日のグアテマラ戦で柿谷のプレーを絶賛した本田に対し「もっと信頼してもらいたい」と熱望した。個人プレーを封印し、縦のラインでコンビを組む本田との連係を強化して、ザックジャパンの1トップの座を死守する。

 日本のエースからの褒め言葉を耳にしても、柿谷の表情はまったく変わることはなかった。「もっとそう思ってもらえるように、信頼してもらえるようにできればいい。ポジションも一番近いんで、お互い話をして、試合を重ねる中でよくしていければいいと思う」。

 本田は前日、柿谷のプレーについて「(可能性は)計り知れない。どこでボールを受けて、どこにボールを出せばいいのか分かっている。曜一朗はすべてを兼ね備えている」と絶賛した。だが柿谷は「(戦術を)理解するスピードがほかの選手と同じなら来ている意味はないし、人より速く吸収して早く溶け込まないといけない」と、淡々と答えた。W杯優勝を公言するエースと、類いまれな才能を武器に代表でポジションをつかみつつある“天才”らしい2人の受け答えだ。

 7月の東アジア杯で初めて代表入りした柿谷にとって、来年6月のW杯までに残された実戦機会は多くない。だからこそ、海外組を含めたベストメンバーの中で出場した8月のウルグアイ戦、6日のグアテマラ戦では、個人の仕掛けや技術で状況を打開し、ゴールを狙うことよりも、チームとしての連係でゴールを目指すことにこだわってきた。

 「パスを出さず(相手に)取られるかもしれないけど前を向いてドリブルするというのは小学生でもできる。それも大事になる時も出てくるだろうし、そういう相手には特に不意を突いて一瞬で仕留めるというのも大事。でも、昨日のようにスペースがあれば、つないでテンポ良くいくのがいい。個人での仕掛けはいつでもできる」

 W杯で世界の強豪と対戦することになれば、最後は個の力が得点の鍵を握ることもある。柿谷には、その能力も十分に備わっている。だが、いまはチーム戦術を理解する時期だ。10日のガーナ戦でも個の力を封印し、あくまで攻撃陣との連係を目指す。柿谷が本田の欠かせない“相棒”になる。【福岡吉央】