3冠を狙うG大阪が「V効果」で、世界基準の新スタジアムを完成させる。9年ぶりの優勝に王手をかけて臨む明日6日の最終節徳島戦を前に、建設募金が急増していることが4日、分かった。目標金額は140億円で、11月の1カ月で前月比3倍の約3000万円が集まり、132億円を突破。あと3億円あれば国際Aマッチが開催可能な設備も追加できる。代表戦、東京五輪の一部招致へ“ガンバミクス”が鍵になる。

 G大阪の快進撃で、新スタジアム建設にも追い風が吹く。徳島戦に勝利すれば、9年ぶりのJ1制覇はほぼ確実。雨の中行われた、この日の非公開練習。かたわらで建設中のスタジアムはうれしそうに?

 見守っていた。建設費用の大半を寄付で賄う珍しい方式で来秋完成を目指す中、寄付金額も上り調子なのだ。

 最終目標は140億円。11月末時点で132億円を突破した。11月は前月比3倍の約3000万円が集まり、G大阪の野呂社長も「優勝争いに絡んでから、どんどん寄付金が増え始めている」とえびす顔。12年4月から開始した寄付は、J2降格の余波もあって低迷。MF遠藤やFW宇佐美らが街頭募金を行った。14年度中の完成予定が1年ずれ込む紆余(うよ)曲折はあったが、V争い効果で巻き返してきた。

 あと3億円で135億円に到達すれば、大型ビジョン1台が追加され、代表戦など国際試合開催が可能となる。あと7億円で目標の140億円なら、大型ビジョンは2台、豪華なVIPルームも備わる。G大阪のスタジアム建設担当者は「(完成すれば)この先50年のチームを支えるスタジアムになる」と胸を張り、リーグ戦、天皇杯を制しての3冠なら、寄付金の増加も「期待できます」。栄冠の先に、王者にふさわしい夢の新本拠地完成が待っている。

 ◆新スタジアム概要

 15年秋、大阪府吹田市にある万博記念公園スポーツ広場内のG大阪クラブハウス横に完成予定。サッカー専用スタジアム。昨年12月起工。現在の本拠地万博の約2倍にあたる4万人収容。太陽光発電パネル設置計画など、環境や地域、防災などの点にも配慮。完成後は同市に寄贈される。

 ◆スタジアム寄付

 総工費140億円のうち、110億円を法人や個人からの募金で賄う計画で、今月31日まで募集中。1万円の寄付で90平方センチの芝生がはれ、40平方センチの屋根が設置できる計算。1回の申し込みで5万円以上寄付すると、新スタジアムにネームプレートが掲示されるなどの特典も。申し込みや問い合わせは、スタジアム建設募金団体事務局【電話】06・6875・3377(平日午前10時~午後5時)まで。