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2006/03/16
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メディアから不遇な扱いWBC
WBC第2ラウンド、日本対韓国戦の直前にこのコラムを書いている。読まれているときには王ジャパンの命運が決しているかもしれないが、今はどんな展開になるかのかワクワクドキドキしながら試合開始を待っているところだ。
第2ラウンドに入って、WBCにはまったくハラハラさせられ通しである。日本対アメリカの“誤審”もあったが、その試合前からなのだ。
筆者はニューヨークの自宅でWBCをテレビ観戦しているのだが、日本対アメリカの放送チャンネルを確認しようとして驚いた。WBCの公式ウェブサイトでは、スポーツ専門チャンネルのESPN2とそのスペイン語チャンネルDeportesで生放送となっているのに、新聞を見ると生ではなく夜に録画放送、となっていたからだ。逆に公式サイトに録画放送の記載はなかった。不思議に思い、インターネットやケーブルテレビの番組ガイドを見ても、生放送のはずの時間は「テニス中継」となっている。毎日更新されている番組ガイドが正しいのだろう、といったんはあきらめかけたのだが、もしやと思って試合時間にESPN2をつけてみると、なんと日本対アメリカをやっているのではないか。テニスとWBCを急きょ入れ替えたようだった。
良かった、と安堵し観戦したものの、もし新聞や番組ガイドを信じていたら、見逃すところだったわけだ。その後の試合中継でもここまでではないものの、似たような混乱がいくつか起こっている。
アメリカでのWBC中継の視聴率が低迷しているというニュースが出ているが、こうした事情も関係していると思われる。ESPN2もDeportesもケーブル専門チャンネルで元々配信世帯が多くはない。加えて放送時間が不確定では視聴率を上げろ、というのも無理な話というものだ。
日本のように地上波でやればいいのに、思われるだろうが、それはかなり難しい。現在アメリカでは大学バスケットボールがクライマックスを迎えようとしている。「マーチ・マッドネス(3月の熱狂)」と呼ばれるほ圧倒的な人気があるだけに、そちらの放送が優先されている状況なのだ。
つまりWBC中継はまだスポーツ・メディア界において最重要なコンテンツと考えられておらず、その日になって放送時間が変更されるほど判断が揺れるような存在ということなのである。
さすがに決勝トーナメントは配信世帯数の多い本チャンネルのESPNで放送されることになっており、安心して観ることができそうではあるのだが。
エキサイティングな試合が多いのにメディアからは不遇な扱いを受けているWBC。サッカーのW杯も最初の認知度は低かったのは有名な話である。現況に負けず、誰もが認める国際大会へと育って欲しいものだ。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
◎このコラムは毎週木曜日更新予定です
渡辺 史敏(わたなべ・ふみとし)

1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。
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