秋山準は王者兼社長なんです
ノア秋山準(36)が新GHC王者として、今日17日の東京・後楽園ホール大会から開幕する新シリーズに臨む。2度目の同王座戴冠を果たした秋山には、もう1つの「顔」がある。昨年10月からミネラルウオーターの販売を手掛けている「社長」がそれ。商品の生産地に近い島根・松江に会社を構え、貴子夫人(37)と2人の社員で会社を運営。現在は通信販売中心だが、自ら得意先に配達、営業を行うなど両立することで、プロレスラーとしての上積みを目指す。
コーヒー1杯が、秋山の心を動かした。2年前に偶然口にした味わいに驚いた。「普通の豆なのにおいしかった。それが今、販売している水。オレはこの水に自信がある」。ボトルのパッケージには「ノア」「秋山準」の文字はない。社長業も本名の「秋山潤」で行う。販売を始めた昨年10月の売り上げは約3万円。4カ月が経過し「社員1人分の給料ぐらい」(秋山)まで収益は上がった。「1本売れて何十円の利益。今は赤字だけど、順調にいけば1年でトントンぐらいかな」との手応えがある。
プロレスラー以外の人生も味わいたかった。以前からスポーツと関連する仕事に興味があった。秋山は「ほかの選手の誰よりも、社会のことを知りたかった。プロレスだけやればいいのだろうけれど、一般社会でも自立したい。両立はパワーが必要だけど、引退してもこの仕事で頑張りたい」と充実している。
「全部にかかわらないと気が済まない」とすべて自分で手掛けた。原産地の島根・奥三隅町まで出向いて視察。関係者に話を聞き、水質検査をはじめ商標登録まで約1年かけて商品の販売にこぎつけた。島根・松江に置く会社と常に連絡を取り、注文のあった得意先に商品を配達。置いてもらえるよう営業活動もする。オフには松江で社員2人と経営会議。「社員との意見の食い違いもあって、会社の大変さを痛感している」と苦笑いを浮かべた。
その地道な経営ぶりに、山陰で唯一の経済専門週刊誌「山陰経済ウイークリー」の取材も受けた。今月21日発売号に登場するが、同誌編集部は「山陰で話題性のある社長として取り上げます。いずれは表紙も考えている」と説明する。
「本業」では新シリーズの最終戦となる来月5日の武道館大会で、鈴木みのるとの初防衛戦も控える。今日17日の開幕戦、後楽園大会ではいきなり前哨戦も組まれる。「人生は勉強。社長業もプロレスに生きる」。王者と社長―。2つの肩書が秋山を動かす原動力になっている。【藤中栄二】
[2006/2/17/10:06 紙面から]
写真=ミネラルウオーターを両手に笑顔をみせる秋山準
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