
2005年12月16日更新
休まない。止まらない。
テスト禁止期間を前に、セパンにてロッシは初日から早くも新型M1の初テストを開始した。新天地ドゥカティに移籍したセテはヘレス・サーキットにて赤いスーツに身を包み、「大きな刺激になっている」と目を輝かせた。中野真矢は新型エンジンとブリジストンタイヤのテストに余念なく、負傷の左手をかばうこともなく3日間で152周もの走り込みをした。サーキットは冬眠についたけれど、ライダーは眠ることなく来季への準備をすでに始めている。
思い起こせば、僕がこのコラムを書くきっかけとなった真矢との対談の時、彼は言った。「休むことはないです。自分は特になんだろうけど、レースが終わればもうすぐに次へのレースのことを考える。どうして負けてたんだろう、どう改良すればよくなるだろう」。レースとレースの期間1週間弱の間、体を鍛え、頭では常にレースをイメージして過ごすライダーたち。彼らのDNAは休むことを知らず、もう来季を見据えている。
自分に置き換え考えて、音楽という場所でもライブツアーという「長い旅」がある。今年は約2カ月の間、僕もその旅に出た。3日本番があり、1日休日、そうしながら日々は続く。休日と言っても、前の日の演奏を省みて、次の日のステージをイメージして日が暮れる。
唯一、バスタブに長く浸かり目を閉じる時間だけが至福の時だったりする。精神はいつも張りつめ、体力は正直に疲労をためていく。けれどもステージはやってくる。自己を叱咤し、モチベーションを上げ、自分との戦いを持続し、結果を後退させることなく前進させるためだけに日々を生きる。
「楽しい」だけではない。ハードさは当然。だけど、結果はやった分だけ、神様が贈り物としてくれるだろう。目に見えるものに限らず、心の中に、精神の中に、未来への肥やしになるものを必ずくれる。
レーサーたちからもらったもの。トップを維持する大変さを顔に出すことなく、そこに君臨し続けた王者ロッシ。何度も悲劇に遭いながら、それでも「次こそは」と何度もPPをもぎ取り走り続けたセテ。マシントラブルに泣きながらも、歯を食いしばるように「がんばります」と答えていた真矢。12針もの怪我を負いながらも、初めから終わりまで誰にも首位を譲る事なく、初優勝を飾ったメランドリがいた。
この1年、誇りや勇気を捨てず戦うライダーたちの勇姿を追いかけながら、僕らの日常の中でも忘れてはいけないと本当に心から思ったことがある。「目標、夢を描き、それを決してあきらめない気持ちで戦い続けること」。
来年も、その先も。その走りに置いていかれないように、彼らを追いかけていこう。ただ最後に、チェッカーフラッグを揺らすように。(終了)
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
<染谷俊最新情報>
◆矢沢永吉ライブハウスツアー「EIKICHI YAZAWA LIVE HOUSE TOUR 2005『THELIVE HOUSE ROOTS』」にキーボーディストとして参加中!(12月21日まで、全国35公演)
◆Podcastレギュラープログラム「染谷俊 Podcast 問答無用」放送中! 毎週金曜更新。
<ワンマンライブ決定>
◆染谷俊 Birthday LIVE 2006 to Get The Start
日時:2006年2月22日(水)開場18:30 開演19:30
場所:Shibuya O−Crest
料金:前売3800円・当日4200円(税込・1Drink別)
前売チケット12月23日(祝)発売開始!!
チケット取扱はMUMIX・O-Crest・チケットぴあ・ローソン、Inf.O−Crest(tel 03・3770・1095)・REALROX(tel 03・5704・3233)
<CDリリース情報>
◆染谷俊ピアノ弾き語りアルバム、シリーズ第6弾「Anthology VI」発売中!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

染谷俊(そめや・しゅん)
ピアニストとしての英才教育を受け音大を卒業したが、17歳で目覚めたロックでシンガーソングライターの道を歩み、93年CDデビュー。現在までにアルバム9作を発表。近年では、ピアノインストアルバムの発表や作詞、作曲家としても活躍。年間数十ライブを行っている。他のミュージシャンへの楽曲提供や、黒田倫弘、矢沢永吉、渡辺美里ら実力派ミュージシャンとのライブやレコーディングセッションへも積極的に参加している。
◆公式サイト http://www.someyashun.com/
|