寺田祥(38=山口)がデビュー20年目にして、待望のSG初優勝を飾った。猛烈エンジンの後押しで、インから力強く先マイ。SG10度目の優出で決めた。獲得賞金は6900万円を超えて、年末のSG住之江グランプリ出場に当確ランプをともした。2着は白井英治が差して粘り、山口ワンツー。3着は平本真之が入線した。

 8戦7勝、2着1回の「準完全」でSG初優勝しても、ポーカーフェースを崩さなかった。寺田祥はピットに引き揚げると、2着の白井英治とハグ。同郷の大先輩、今村豊とも淡々と握手した。

 猛烈エンジンを信じ切った。周回展示では舟が安定せずばたついたが、本番は冷静にターン。2番手以降を大きく引き離した。「エンジンが出過ぎた。スタートを行って、しっかり回ることだけを考えた。プレッシャーは特になかった。自分らしくなく、きれいに回れた」。今までの大きな壁を、いとも簡単に崩した。

 最終日の昼間、寺田は喫煙室で多くの時間を雑談に費やした。一緒に付き合った今村は、その姿を見て優勝を確信した。「(寺田と白井は)2人とも、いつも通りにしている。今日も山口県が(優勝を)持って帰る。大丈夫」。自信に満ちあふれる後輩たちがワンツーを決めて、今村も満足げな笑みを浮かべた。

 先輩の背中をずっと見ていた。2着に続いた白井は、同郷で1期上。早くからトップの舞台で活躍する姿を追いかけていた。「(存在は)大きい。いつも助けてもらっている」。3年前、同じ若松のメモリアルでは白井の後塵(こうじん)を拝したが、今回は見事にリベンジした。

 賞金ランクは4位に上昇。12月のSG住之江グランプリはもちろん、11月のSG下関チャレンジC、さらに来年のSG徳山グラチャンと地元のビッグ2節も出場のメドを立てた。「目イチでいける状態になったので、しっかりいきたい」。決して浮かれることなく、今後も自然体のスタイルは変えない。【津波謙次】

 ◆寺田祥(てらだ・しょう)1978年(昭53)9月20日、山口県岩国市生まれ。97年11月、81期生として徳山でデビュー。初優勝は99年7月の桐生タイトル戦。G1優勝は05年2月徳山中国地区選をはじめ4回。通算優勝は40回。同期には池田浩二、佐々木康幸らがいる。166センチ、57キロ。血液型O。