フォゲッタV、飛ぶ準備/ダイヤモンドS
<ダイヤモンドS>◇14日=東京◇G3◇芝3400メートル◇4歳上◇出走15頭(ジャガーメイルは出走取消)
春の盾が見えてきた。単勝1番人気フォゲッタブル(牡4、栗東・池江泰郎)がスローの展開を鮮やかに差し切った。勝ち時計は3分32秒6。来春2月で定年となる池江泰郎師(68)にとって最後の天皇賞(春)制覇へ大きく前進した。武豊騎手(40)は、これが今年初のJRA重賞勝ちでデビューから続く24年連続重賞制覇の記録を伸ばした。
「内が伸びる」と言われる今開催の東京コース。内に各馬が殺到する中、フォゲッタブルは大外から馬群をのみ込んだ。先行して粘る1枠2頭に抵抗する余裕さえ与えない。トップタイとなる上がり34秒9の脚で1馬身1/4突き抜けた。「道中うまく運べたし、直線を向いてからゴーサインを出したけど反応が良かった」と武豊騎手。歴代3位となるデビュー年から24年連続での重賞勝ちの記録更新にも、いつもと変わらず淡々とレースを振り返った。
内枠有利の馬場も本格化を迎えつつあるフォゲッタブルには関係なかった。この日の脚は同じ勝負服、同じトレーナーでコンビを組んだディープインパクトすらほうふつとさせた。武も「まだ飛んでいない。でも飛ぶ準備はできてきた」と名馬に肩を並べられる可能性を感じ取った。その理由が強烈な末脚を生む後ろ脚の強さ。「昨夏に乗った時とは違った。まだまだだけど伸びしろは十分ある」。昨春、クラシックに間に合わなかった良血馬は古馬G1でその借りを返す。
今後は3月21日阪神の阪神大賞典(G2、芝3000メートル)から、5月2日京都の天皇賞・春(G1、芝3200メートル)へ向かう。武と池江泰郎師はメジロマックイーン、ディープインパクトと数々の名シーンを作ってきた。その師も来年2月で定年を迎える。「春はラストチャンス。先生のために頑張りたい」。名伯楽に最後の春の盾をプレゼントする。それがユタカ流の恩返しだ。【山本幸史】
[2010年2月15日7時50分 紙面から]
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