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JRAの20頭が馬インフルエンザ

- 美浦の競走馬診療所で治療を受ける馬を心配そうに見つめる厩舎関係者
日本中央競馬会(JRA)は16日、美浦・栗東の東西トレーニングセンターで20頭の競走馬が馬インフルエンザに感染していることを発表した。馬インフルエンザの発症は36年ぶり2度目。かつて大流行した1971年(昭和46)には競馬開催が2カ月間も中止となった。今回は感染源や感染ルートは確定されておらず一時は18、19日の開催が危ぶまれたが、JRAはワクチン接種が義務付けられている現在は爆発的な感染はないと判断。条件付きで実施を決定した。ただ、状況悪化の場合は中止の可能性もある。
早朝の美浦トレーニングセンターに激震が走った。国内では36年ぶりとなる馬インフルエンザの発症が確認され、午前3時半には全調教師に状況と管理馬の移動見合わせが通達された。この病気は伝染力の強い感染症で、前回大流行した71年には2カ月間も競馬開催が中止に追い込まれた。「99%今週の開催はない」と漏らす調教師もいたほどだ。
先週末から美浦では発熱を訴える馬が続発し、11日以降で35頭に達した。去年の8月が1カ月で12頭なのだから、明らかに異常。これに反応したJRAが発熱した9頭に馬インフルエンザ判定用の簡易キットで検査を行ったところ、3頭から陽性の反応が出た。栗東での同様の検査でも17頭から陽性が出た。感染源は明らかになっていない。
JRAは監督官庁である農林水産省へ直ちにこの事態を届け出、今週末の競馬開催についての協議を行った。正午をメドに決定されるはずだった当初の予定は延びに延び、最終的に「管理施設間の移動に限定する」という条件付きで午後3時前に実施が決まった。
強行の印象が否めない開催決定だが、感染が広まる恐れはないのだろうか? JRAが強調するのは、現在はすべての競走馬へのワクチン接種が徹底されている点だ。71年は海外からウイルスが持ち込まれた。日本で発生例がなかったため大流行したが、斉藤茂広報担当理事は「状況から判断するに71年とはまったく違う」という。今回発見されたのは馬2型インフルエンザウイルス(H3N8)。新種のウイルスではなく、ワクチンの効果があるものだから、症状も軽く、爆発的な感染も見られないという。また馬インフルエンザは英国ではたびたび発症例が見られるが、地域を限定して開催を行った例もある。「開催に重要な影響を与えるものではない」(同理事)。
陽性が確認された20頭については今後、出張馬房への隔離や診療所への入院といった措置が取られる。今週の出走馬については従来以上の厳しいチェック態勢下に置かれる。仁岸正之馬事部長は「調教師には健康状態の把握を要請しているし、獣医の監視の下で今まで以上に注意深く見守っていきたい」と語っている。
[2007年8月17日8時37分 紙面から]
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