<国際親善試合:日本1-1イラン>◇13日◇イラン・テヘラン

 PKからの失点が気になって仕方ない。与えた場面も日本は数的有利だったし、相手の体はゴールに向かっていない。吉田は慌てる必要はなかった。本当に問題なのは、その後の処理。西川が好セーブしたが、日本はこぼれ球への反応が遅かった。相手は助走をつけてゴールに迫ったが、日本代表で勢いをつけて駆け寄ったのは、柴崎だけ。ゴール近くに相手3人以上が詰めていた。

 PKの場面で、相手が蹴った直後にゴールに詰めては遅い。キッカーと同じように守る側も助走をつけて蹴った瞬間ペナの中に入らないといけない。私が鹿島に在籍した時、磐田の中山さんに同じシチュエーションでPKのこぼれ球を決められたことがある。それ以降、鹿島ではPKの時、みんなで助走をつけて駆け寄ることが約束事になっている。ボールがネットを揺らすまで、絶対にあきらめてはいけない。

 さらに気になったのは、監督の両サイドバックの起用法。右の酒井はミスが多すぎた。直前のシリア戦後半35分にも自陣でミスして危機を招いている。イラン戦は別の選択肢を考えた方がよかった。その方が、酒井自身にも勉強になっただろうし、チーム全体の士気も上がる。米倉を左で起用したが、慣れない位置で裏を取られる場面もあった。試す意味があったかもしれないが、国際Aマッチのピッチは、試す場ではない。(日刊スポーツ評論家)