<W杯アジア2次予選:日本2-0カンボジア>◇E組◇17日◇カンボジア・ナショナル五輪スタジアム

 以前から気になっていたが、ハリルホジッチ監督の選手起用法には違和感がある。特に中盤の配置。山口と遠藤をボランチで組ませた。山口をやや前に出して攻撃に絡ませ、遠藤を中盤の底に入れた。最初から相手が守備を固めることは分かっていたはずだが、守備が得意な山口が務めるには荷が重かったのかもしれない。後半、柏木を入れてからは、山口と2人で中盤の底に並ばせた。前半の縦関係がうまく機能しなかったからだろう。

 ボランチの縦関係を試したかったのなら、最初から守備的な山口か遠藤と、攻撃的な南野や今回呼ばれなかったが柴崎の組み合わせを試してもよかった。そもそもこの2戦は守備を確認する必要性はあまり感じない相手との対戦。選手選考の過程で、もっと攻撃的な選手を入れる必要があったか、とも思える。

 東アジア杯でも不可解な選手起用があった。ライバル韓国相手にはボランチに攻撃的な選手を2人並ばせ、格下と思われた北朝鮮と中国戦には守備的な選手を2人選んだ。就任当時「今年はいろんなことを試す」と言っていたし、本当の勝負が始まる来年からは、起用法に変化があると、期待したい。(日刊スポーツ評論家)