武藤に「2年目のジンクス」は関係ない!? 昨季は13ゴールを挙げて新人年間最多得点記録に並んだが、今季も開幕3戦3発と好調で得点ランキング単独トップに浮上した。昨季は第26節時の3位タイが最高(最終4位タイ)。単独首位に立つのは初めてだ。

 このままのペースなら2年連続2ケタ得点も可能だろう。ルーキーイヤーから2年連続10ゴール以上は過去に94、95年のFW城(市原=現千葉)だけ。ただ、城が在籍していたときのJリーグは94年が44試合、95年が52試合と年間の試合数自体が多かった。現行の年間34試合で達成すれば、Jリーグ史に残る快挙となるが、武藤は簡単にクリアしそうな勢いだ。

 もっとも、Jリーグにも他のプロスポーツ同様に「2年目のジンクス」は存在する。年間8ゴール以上を決めた新人は武藤を除き過去に6人。マークもさらに厳しくなり、研究もされる翌年のゴール数を見ると、6人中5人が新人年からその数を減らしていた。

 そんなジンクスを覆すように、今季の武藤は好スタートを決めた。シーズンはまだ始まったばかりだが、今年7月に23歳となる武藤がこのままの勢いで得点王を獲得すれば、02年の高原(磐田)04年のエメルソン(浦和)の23歳と並び最年少記録となる。シーズン終了間近に調査するような過去の記録を、開幕当初から引っ張り出したくなるほど、今季も武藤は充実している。【石川秀和】

 ◆新人年間最多得点記録上位者の翌年 最多13点を挙げた09年の横浜FW渡辺(現神戸)は5点減の8点。98年の浦和MF小野(現札幌)は翌年、ケガでシーズンの半分以上を欠場し、その離脱が影響してか99年の浦和はJ2降格。11年の磐田FW金園(現仙台)も、その活躍が評価されて翌年2月に日本代表に初選出されたが、そこで負傷し結局5試合1得点。95年の平塚(現湘南)MF中田英も得点が8から2、アシストも7から5に減った。