昨年の「防御率王」横浜GK飯倉が、今季もまずまずのスタートを切った。開幕3戦で3失点。J1通算では143試合(1万2805分)150失点で、1試合90分あたりの失点を示すGK防御率は1・05点で歴代3位となる。Jリーグの公式記録にもなっている数値で、日本代表の常連である東口(G大阪)と西川(浦和)をしのぐ。

 昨季は25試合で22失点。5月6日の第1ステージ10節に先輩の榎本から先発の座を奪った。年間防御率は0・88点で、優勝した広島の林を抑えてリーグ1位に輝いた。実は榎本のJ1通算防御率も1・02点で歴代2位。横浜ユース出身の先輩と後輩がそろって3傑入りしているのだ。

 昨年途中から飯倉が守護神を務めるが、ここ数年はその座を2人で争ってきた。07~08年が榎本、09年は併用、10~12年が飯倉、13~15年5月が榎本、以降は飯倉。この2人がいたことで、日本代表候補の六反(仙台)も横浜時代の12~14年は控えに甘んじた。

 今季のJ1は韓国代表のGKが新たに3人加入し、それぞれが各チームで正GKを務める。ハイレベルなGKがそろう横浜のように、他クラブの日本人GKも奮起したい。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)