「データが語るJリーグ」では昨季に引き続き、J1開催翌週の水曜日に「スコアポイント(SP)率」のランキング表を随時掲載します。SP率とはゴールとアシストを合算して日刊スポーツが独自に算出した「攻撃の総合評価指標」で、1試合フル出場した場合、どれだけゴールにかかわったかを示します。第5節時でSP率の1位は浦和MF柏木陽介(29)。自身初の「年間10得点10アシスト」も狙えそうです。

 ケガから復帰したばかりだが、体調の良さを感じさせる動きで浦和を3-1の勝利に導いた。柏木は1日の神戸戦でフル出場し2得点1アシスト。Jリーグが15年から発表するトラッキングデータでも、自己ベストとなる20回の「スプリント」(時速24キロ以上で走った回数)をマークした。15、16年の2年間のフル出場数は47試合で、その平均スプリントは11・5回。いつもと比べ、倍近くの全力疾走を繰り返し、攻撃をけん引した。

 リーグ戦は2試合欠場しているが、2月25日の開幕節横浜戦での1アシストを含め、3試合で2得点2アシスト。この2つを合計したスコアポイントは4Pで、出場90分平均に換算するとリーグトップの1・4Pとなる。

 柏木のJ1年間最多得点は広島時代の09年と浦和移籍後の13年にマークした8点。アシストは14年の12回が最多。2つそろってシーズン2ケタはまだない。浦和で「年間10得点10アシスト」は03年のFW田中達也(現新潟)が最後。背番号と同様、ゴール、アシストともに「10」に到達したとき、浦和の06年以来11年ぶりのリーグ優勝が見えるに違いない。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

 ◆SP率 1試合フル出場した場合、どれだけゴールにかかわったかを示す攻撃の総合評価指標。ゴールとアシストを合計した「スコアポイント」を1試合90分平均に換算し、規定出場時間を設けてランク付け。規定は「チーム試合数×46分」。46という数字は1試合の半分以上の46分に出場したという意味での係数。