今季のJ1は23日に開幕する。2チーム増えて20チームで争われ、下位3チームがJ2に自動降格。チーム数が増えたことで、戦力差のある上位と下位の格差拡大が予想される。昨季は最下位チームのみの降格だったが、今季は残留争いの緊張感が格段に増すことになる。

J1が20チームで争われたのは21年にあった。新型コロナ禍の特例措置で前年のJ2降格がなく、J1昇格が2チーム。今季と同様に18チームから史上最多20チームに増え、シーズン序盤から上位と下位の明暗がくっきりと分かれた。

21年は川崎Fが開幕からJ1史上最長の25戦無敗を記録し、史上最速となる4試合を残してリーグ連覇。川崎Fの他に名古屋が10戦負けなし、広島が8戦負けなしと、J1史上初めて開幕から8戦以上無敗が複数チームあった。

その一方で、開幕10戦以上勝ちなしが2チーム。こちらも史上初のケースとなり、開幕から17戦勝ちなしの横浜FCが最下位、10戦未勝利スタートだった仙台も、そのまま19位でJ2に降格した。最終的に優勝した川崎Fと最下位の横浜FCの勝ち点差は65。今季もシーズン序盤から3年前と同じような展開になるかもしれない。

6年ぶりにJ2から3チームが昇格。昨季J2で2位の磐田、3位の東京Vは開幕から試練を迎える。磐田は24日に昨季J1王者の神戸とホームで対戦。16年ぶりに復帰の東京Vは25日に昨季J1で2位の横浜に挑む。戦力差もあり、ともに厳しい戦いが予想される。

J2が創設された99年以降、昇格組が開幕戦で勝ったのは過去16チームあり、いずれもその年はJ1残留という吉兆データがある。年間38試合の長丁場になるとはいえ、初戦は重要。いきなりの大金星で格差を縮めたい。【石川秀和】