<W杯アジア最終予選:日本2-1サウジアラビア>◇B組◇15日◇埼玉

 勝ったことは本当によかった。ただ、最後の失点がもったいない。2-0と2-1では大きく違う。それもホームだ。まだ、ホームで敗れた9月のUAE戦の分を取り戻したわけじゃないんだ。コンディションのいい選手を起用した。もう名前だけでプレーする時代じゃないと、原口や大迫が見せてくれた。本田は後半から出てきたけれど、45分だけのプレーだったらもっとやってくれないと。45分だけの選手なら国内にもいる。

 来年3月の敵地UAE戦までの課題は、海外組のコンディションだろう。この日ベンチスタートだった「不動のメンバー」は何を感じたろうか? 原口の運動量を見れば、そのくらいのパフォーマンスができないと「不動のメンバー」と言えないんじゃないかな。もしかしたら、この試合をきっかけにチームが変わるかもしれない。そこで本当の競争が生まれれば、それはいいことだ。

 若手が頑張ってはいたけれど、まだW杯に行く強さではない。大迫は体を張っていたが、点を取らなくては話にならない。久保も決定的なチャンスを逃した。ホームでカウンターサッカーをしているようでは、まだまだ力をつけないといけないな。1点は主審の判定でもらったようなPKだし、西川のファインプレーにも助けられた。

 3月からの後半戦はUAE、イラク、サウジアラビアと暑い敵地での過酷な戦いが残る。この勝利で少しでも安心しているようではいけない。(日刊スポーツ評論家)