名古屋に、そしてJリーグ全体にゴールを決めることだけを選手に教える、シュート専門のコーチを置くことを提唱したい。

 まずプロ野球の場合、投手、打撃はもちろん、外野守備走塁、内野守備走塁、バッテリー、トレーニングなど、事細かく専門コーチが担当し、若手などには毎日、直接指導する場面が見られる。

 サッカーでは通常、専門で担当しているのはGKコーチだけの場合が多い。フィジカルコーチも、いるクラブといないクラブがある。私が担当する名古屋も西野監督体制になってブローロ・フィジカルコーチが就任し、選手のトレーニングから体調管理まで指導を行っている。主将であるDF闘莉王も「ブローロ・コーチが来てくれて、選手のフィジカル面をちゃんとやってくれている。けが人も少なくなってきていると思うよ」と、専門で見てくれている効果を話していた。

 そこでシュート専門コーチを置くと効果があるのではないかと考えたのである。名古屋は昨シーズン全34試合で47得点。1試合平均は1・38点。ここで書かなくとも、サッカーでの1点の重みは絶大だ。

 名古屋に限らず数チームの練習を見てきたがシュート練習はするが、ゴール枠を何度も外す選手がいても、声を掛ける人も少なく、淡々とこなしているように感じる。長いシーズンではスランプに陥ることもあるだろう。そこで専門的な指導や声掛けをやってくれる人がいれば。

 今でも監督やコーチがクラブハウス内ではやっているとは思うが、専門の指導者を置くことによって、指導と責任が細分化されることはいいことだと思う。Jリーグも開幕し、ハリルジャパンも始動。どこかのチームがこの“専門体制”をやってくれないかなぁと思う今日この頃です。


 ◆上田博志(うえだ・ひろし)1970年(昭45)6月22日、大阪府生まれ。日刊スポーツでは制作部から写真部を経て、14年から名古屋勤務。カメラマンも兼務しながらサッカーなど一般スポーツを担当。