川崎フロンターレのMF中村憲剛(36)が、2月25日の大宮戦で新ゴールパフォーマンスを披露した。

 昨季はお笑いコンビ・スマイルのウーイェイよしたかの「ウーイェイ」だったが、今季はお笑い芸人・サンシャイン池崎の「ジャスティス」。1-0で迎えた後半ロスタイム。ハイボールのルーズボールをFW小林悠(29)が右サイドで拾うと、ゴール前へパス。それを中村が左足で流し込み今季初得点を決めた。

 中村は、DF登里享平(26)が「あのカメラにいきましょう」と言われ、中継カメラに向かって思い切り「ジャスティスポーズ」を繰り出した。しかし…。試合後にスタッフから「DAZNの中継に映ってなかった」と聞かされ「…」。実際、DAZNの映像を確認してみると、中村がポーズをしている時間帯は、画面には痛恨のダメ押し点を決められた大宮DFの悔しそうな姿がアップで映しだされていた。残念!

 ただ、中村は試合後、フロンターレサポーターの前で格別な「ジャスティス」を味わっていた。「ウーーーーー」と前置きをしてから「ジャスティス!!」と叫びサポーターとともにポーズ。昨季の「ウーイエイ」は等々力名物になるほどスタンドとの一体感を味わったパフォーマンスだった。今季も昨季以上の盛り上がりを期待されていただけに、中村は「ゴール裏に、一体感が生まれていた。まじよかったです」と笑顔。開幕で最高のお披露目をし「5、6試合たまっていたら、もう寝られないぐらい神経質になっていたかも」と苦笑した。

 中村のパフォーマンスを考案しているのは、DF登里享平(26)とMF森谷賢太郎(28)のコンビである。テレビ朝日「やべっちFC」の「デジっちが行く!」のコーナーで、チーム紹介の“演出”を手掛けているのがこの2人だ。登里のエンターテインメント性あふれる企画力はサポーターからの支持も高い。明るいキャラクターで、風間八宏前監督が、クラブハウスの玄関で登里に会った際「あっ、無口な登里君」と突っ込みを入れて声をかけていたのを思い出す。

 登里は「毎年、(期待値の)ハードルが上がって、考えるのが大変ですけど。実はもう、来季の構想があるんです」と話す。今季はひそかに、中村のジャスティスポーズの隣で、サンシャイン池崎のように思い切り背中を反らすパフォーマンスを画策中だ。中村の活躍とともに、登里の動向にも目が離せない。

 ◆岩田千代巳(いわた・ちよみ) 1972年(昭47)、名古屋市生まれ。菊里高、お茶の水女子大を経て95年、入社。主に文化社会部で芸能、音楽を担当。11年11月、静岡支局に異動し初のスポーツの現場に。13年1月から(当時)J1磐田を担当。15年5月、スポーツ部に異動し主に川崎F、大宮担当。