鹿児島城西大迫勇也(3年)の技術と集中力は小さいころからずばぬけていた。

 小学3年から所属した鹿児島県南さつま市の万世小スポーツ少年団の監督だった永野高茂さん(39)は「6年生になると、同学年の子が大迫からボールを取れないので、一緒に練習したがらなくなった」と話す。やむを得ず、永野さんや少年団OBの中学生らが相手になると、普段はおとなしい大迫勇がムキになって向かっていったという。

 ある日のリフティングの練習では、チームメートが次々と失敗して別の練習メニューに移ろうとしても、大迫勇はなかなかボールを地面に落とさない。永野さんは半ばあきれて「ピッチの外で続けなさい」と指示。1時間近くたって振り返ると、まだ大迫勇は黙々とリフティングを続けていたという。【佐藤千晶】