<高校サッカー:富山第一3-2星稜>◇決勝◇13日◇国立

 高校サッカーの「伝説」2人が、スタンドに並んで最後の国立決勝戦を観戦した。元帝京高監督の古沼貞雄氏(74)と元国見高監督の小嶺忠敏氏(68)。ともに戦後最多6度の優勝を誇る名将は、試合前にばったり出会い、古沼氏が誘い隣に。「一緒に試合を見るのは初めて。国立も最後だしね」と同氏は話した。

 意外なことに両チームの国立対決は1回もない。それでも三浦淳宏や大久保嘉人らを率いて頂点に立った小嶺氏は「いろいろな歴史があるから、国立が最後なのは寂しいですね」。宮内聡や前田治で高校サッカー人気を不動にした古沼氏も「昭和は遠くになりにけり、ってね」と話した。

 若い指導者が次々と出てくるが、ともに闘志は衰えることがない。今大会、総監督として長崎総合科学大付を率いた小嶺氏は「まだまだ。これからですよ」と来季を見据えた。矢板中央と帝京長岡のアドバイザーを務める古沼氏も「1、2年生が多くて楽しみ。国立は最後だけど、今度は埼玉(スタジアム)で小嶺さんと戦うよ」と話した。