U-23(23歳以下)日本代表が初戦でU-21パラグアイに1-2で敗れた。前半、バックパスミスで先制点を献上。DF岩波拓也(21=神戸)が負傷退場するアクシデントも発生した中、後半21分にFW浅野拓磨(21=広島)が同点弾を決めた。しかし同30分に勝ち越された。23日の第2戦はU-20ポルトガルと対戦する。

 リオ五輪に向けた強化目的の大会は、失点で幕が開けた。前半18分、右サイドバックのファンウェルメスケルケンが、不用意なバックパス。パラグアイ選手にさらわれてGKと1対2の状況をつくられ、最後は軽々と相手FWに決められた。

 さらに31分、守備リーダーのDF岩波が左膝を負傷するアクシデントに見舞われた。空中戦で競り合い、着地した際に左膝を痛めて倒れ込んだ。立ち上がれずに担架で外に運び出され、三浦と交代。ピッチを去る際、手倉森監督に軽傷をアピールしたが、左脛骨(けいこつ)骨折で五輪絶望となった奈良に続くセンターバックの負傷に場は凍りついた。ハーフタイムには救急車で病院に搬送された。

 この大会後に事実上、リオ五輪メンバーが絞り込まれる。手倉森監督は「ここで負けてもミスしても、リオ五輪のメダルは奪われない。チャンスしかない」。アピールに走らせない姿勢で選手を送り出したが、前半は0-1で折り返した。

 嫌な雰囲気で後半戦に入ったが、日本が追いつく。21分、MF原川のスルーパスで守備ラインを破ったFW浅野が、GKの位置を見極めて、右足でゴール右隅に蹴り込んだ。3、4月の活動を負傷で辞退し「常に危機感を持っている」と話していた男の復活弾で追いついた。だが、同30分に再び勝ち越し点を許す。直接FKを警戒していたMFディアスに決められた。リオ五輪の1次リーグ第2戦で戦うコロンビアと同じ南米のパラグアイに敗戦。14年12月から続いていた国際試合の不敗記録(18勝3分け)も22戦ぶりに途絶えた。

 試合後にはフル出場したDF亀川が右足甲の痛みで歩けず、担架で運ばれた。【木下淳】