女子U-17(17歳以下)W杯で準優勝した「リトルなでしこ」が23日、ヨルダンから成田空港に帰国した。

 決勝で北朝鮮にPK戦の末に敗れ、2連覇を逃した。楠瀬直木監督(52)は「試合の内容では勝ってたと思うけど、最後チャンピオンにさせてあげられなかったのは、向こうでも悔しかったけど、ここに帰ってきてさらに悔しいなという気持ち」と残念がった。

 15年にU-16日本女子代表監督に就任してから2年、チームを作り上げてきた。「(選手は)真面目で言ったことをよくやってくれて、感心することも多かった。逆に女性だということを気にしすぎて強度を下げたこともあった。でも十分、こちらが本気でやれば付いてきてくれたので、学ぶ姿勢も多く、やりやすかった」と感謝した。

 15年以前は男子の指導経験しかなく、とまどいもあった。「男子は子どもから大人までやっているので、地方に電話1本すれば誰々がいるって情報の共有できていた。でも女子は各地の監督さんも僕のことを知らないし、行っても知り合いもいない。練習試合や小さい大会とかスケジュールを聞いて行って、時には草サッカーを見ていた時期もあった」と苦労していたことを明かした上で、「どの基準がうまいとかが分からなく、最初はみんな女の子うまいって見えてしまって。そこのラインを作っていくことに苦労した」と話した。

 男子と接し方の違いもあり、なでしこジャパンの高倉監督に相談もした。「サッカー観的には同じ。でも女性のメンタルのこととかは聞いた。空き時間はどう過ごしたらいいとか筋肉的なことで、どこまで追い込んでいいかとか」。そして選手1人1人に対し、評価を伝えることを心掛けた。「女性は平等にしてあげないと、ちゃんと認めて上げないといけない。男みたいに干してほったらかしてやるのはどうなのかな。でも、年が校長先生と生徒のような関係だったので選手はうまくあしらってたと思います」と良好な関係作りが出来ていたとした。

 最後に選手たちへ「この悔しさとこの1カ月集中してトレーニングをしたので、1日1日を大事にしてプレーに勉強にやってくれれば」とエールを送った。