日本代表MF清武弘嗣(27)が司令塔の役割を遂行した。トップ下で先発した前半にFW大迫の2得点をアシスト。前半32分にピンポイントの右クロス、10分後にはゴール正面の密集から守備の虚を突くスルーパスを通した。「2点目は理想の形。連動した動きで、最後はDFが僕に食いついたので」。位置を見極めたアシストで魅了し、後半19分にはPKでチーム3点目をゲット。1得点2アシストで攻撃をつかさどった。

 2年後のW杯ロシア大会で中心になるため、今季ドイツ2部に降格したハノーバーから、欧州リーグ3連覇のスペイン1部セビリアへ移籍した。元フランス代表MFナスリらの壁に阻まれ「プロ人生で初めて」出場できない日々が続くが「代表がある」と心は折れていない。今月2日のディナモ・ザグレブ戦で欧州チャンピオンズ・リーグに初出場。「試合勘(欠如)は感じなかった」。強豪でもまれ、着実に進化していた。

 オマーン戦の先発にはロンドン世代7人が名を連ねた。「ウオーミングアップ中から、今日は若いなと思っていた。しっかりしないといけない年代。いい突き上げができれば」と世代交代の責任感は増す。サウジアラビア戦へ「もっと強いと思う。今日以上の試合をしたい」。負傷した香川に代わり、動きを研ぎ澄ませた清武が連続先発する可能性は低くない。【木下淳】