息が続かないことが問題/オシムが語る
前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(68)のインタビューの最終回をお送りする。
-長谷部の所属するボルフスブルク(ドイツ)は好チームだった
オシム氏 ジェコとミシモビッチが日本のためにプレーしないのが残念だ。日本にはこういう選手がいない。視野が広くて、汗をかくのが好きで、体が頑丈で当たりが強いタイプだ。日本選手にとって欧州でプレーするのが難しいのは、当たりが強いからだ。運動量も欧州の方がきつい。それに加えて、日本選手は体格が小さいことが問題だ。欧州ではいつもハードなプレーをする。そして、走力がないといけない。息が続かないといけない。日本の選手は(欧州の)普通の選手ほど走らない。本当は日本の選手は小柄なのだから、もっと走らなければならないし、動かなければならない。すばしっこくなければならない。日本の選手は闘争心があって動けて、技術的にもまあまあだが、問題は息が続かないことだ。
-選手が育たない理由は
オシム氏 練習でもアイデアがなければならない。日本人はよそのまねをしすぎている。自分を向上させようとしていない。それも、日本の伝統なのだろう。ほかのところで優れているものを取り入れようとする。日本人はドイツ人や英国人にはなれない。それは受け入れた上で発展しなければならない。
-いま自分が何人だと感じているか
オシム氏 わたしは少し日本人だ。まあ、ボスニアか。わたしはボスニアより日本の方が長い。ボスニアにはそんなにいなかった。昔はいたが、それはいまのようなボスニアではなかった。
-どんなときに日本人だと
オシム氏 米を食べなくてはならないのが問題だ。ご飯。昔は食べ過ぎて、いまは食べられない」
-ご飯が好きですか
(同席したアシマ夫人が返答し)きょうは食べたわよね。わたしのメニューはいつも米と野菜。
-日本での暮らしを思い出すか
オシム氏 (脳梗塞<こうそく>で倒れた時)日本人は素晴らしかった。多くの日本人から手紙をもらった。うれしかったし、驚いた。感謝しなければならない。これがわたしの命を救った。家から遠い国でこういうことが起きると、なぜだろうと考える。そんなに外国人のことを心配してくれたのは、わたしが人生で何かに成功したということだろう。なぜかが分かっていなければならない。そうすれば、また繰り返すことができる。生き続ければ何が起きるか分からない。
-東京が五輪招致に乗り出しているが
オシム氏 また東京になるのは良くない。W杯をやって五輪をやるのは費用が掛かり過ぎるのではないか。なぜ日本がいつも払わなければならないのか。ほかの国がなぜ関心を持たないのか。わたしにとっては五輪よりもW杯の方がいい。日本は新しいスタジアムもあり、観客もいてすべてがある。【おわり】(共同)
[2009年6月25日22時19分]
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