日本サッカー協会の原博実強化担当技術委員長(52)が16日、欧州各クラブを訪問して帰国した。南米選手権(7月1日開幕、アルゼンチン)への出場を目指す日本代表は、海外組15人以上の招集を出場条件としている。だが、同選手権には招待出場のため海外組招集の拘束力がなく、南米連盟などが招集協力を要請するレターなどを送った後、原委員長が「お願い行脚」を行っていた。

 ザッケローニ監督(58)が招集を希望する15人の海外組の所属する15クラブのうち、DF長友佑都(24)のインテルミラノ、内田篤人(23)のシャルケ、MF本田圭佑(24)のCSKAモスクワなど11クラブを訪問して協力を要請。この日、帰国した後に、日本協会で小倉純二会長(72)やザッケローニ監督に状況説明を行った。

 欧州各クラブに対し、15日までに文書で日本協会に招集の可否を通達する要請を出しているが、まだ返答のないクラブがある。ドイツのクラブを中心に招集への拒否反応を示しているクラブが多く、海外組15人の招集は不可能な状況で、現実的には出場を再度辞退する可能性が高い。そのため、原委員長は「全部の返答が出てから話し合って結論を出したい。なるべく早く結論を出します」と慎重に話していた。