【マナマ(バーレーン)6日=阿部健吾】中東遠征中のU-22(22歳以下)日本代表が思わぬマッチメークに恵まれた。9日のU-22サウジアラビア代表戦が一方的に中止となり代替国を探していたが、クウェート代表と戦うことが決定的になった。同国サッカー協会が開催決定の声明を出した。くしくも、同国も9日に予定していたウズベキスタン代表に“ドタキャン”されたばかり。五輪世代にとっては、A代表と戦う貴重な機会が転がり込んだ。

 すぐ近くに同じ境遇の相手がいた。バーレーンに滞在する日本代表。そこから約400キロしか離れていないクウェート。日本がサウジアラビア代表に突然の中止を通告されたように、同国も3日にウズベキスタン代表から「技術スタッフの刷新」を理由に試合中止を突きつけられていた。

 同国サッカー協会ディレクターのアブドゥル・ジャリル氏はこの日、「我々は9日に、オリンピックを目指すアジアの強豪の日本代表と、試合を行います」と声明を発表。日本協会も最終交渉中を認めており、クウェート国内で対戦する予定。

 対戦するのはクウェートのA代表。同代表は1月のアジア杯ではグループリーグ3戦全敗。14年ブラジルW杯予選へ出直しをはかっている最中。招集メンバー18人中、アジア杯組は7人とチームの立て直しを期している。

 情報収集の場としても貴重な場となる。A代表同士では過去3戦3敗。UAEでの96年アジア杯準々決勝で0-2で負けており、15年ぶりの対戦になる。6月のロンドン五輪2次予選で対戦する可能性もある。

 この日の練習では体調不良のMF小野、前日練習で左足首をひねったMF水沼が全体練習に参加できなかった。ドタキャン騒動に始まった中東遠征に、ようやく光が差してきた。