6月のキリン杯に臨む日本代表が30日、新潟県内で合宿をスタート。合流していない海外組をのぞく22選手が約2時間、練習を行った。

 MF関口訓充(25=仙台)が被災地の希望の星になる。昨年10月以来2度目の代表に合流。前回は思うように溶け込めなかったが、今回は約2時間の練習ではDF槙野と「マキ」「クニ」と呼び合うなど、溶け込んだ。「この前より知っている選手が多いので」と笑顔で話した。

 前日29日は、3カ所を行脚し被災者の支援活動を行った。正午から約1時間半、所属する仙台の本拠地ユアスタで宮城県沿岸部で被災した子どもたちを招待しサッカー教室。その後、同県七ケ浜町に移動途中、多賀城FCの子たちがサッカーをしていたので車を止め、急きょ参加。目的地の同町でも子どもたちと触れ合った。28日には横浜とのリーグ戦にフル出場。29日も日が暮れるまでボランティア。「疲労の蓄積はある」というが、被災地の希望の星となるため、支援活動から代表合流に直行した。

 代表から被災地を支援するプランも考え中だ。初代表時のユニホームや道具は本人の記念として保存するが、2度目となった今回のものはチャリティーオークションに掛け義援金とするプランもある。両足に被災地東北へのメッセージが書かれているスパイク。出場して活躍すれば、オークションでの価値もアップする。

 被災から2カ月半が経過した。被害の大きかった地域から最も近い場所でサッカーをして、代表に選出された。震災後初の国際Aマッチにも「Jリーグと同じように100%以上の力を出す。それは日の丸をつけても同じ」。日本中の注目が集まる舞台から、被災地へパワーを送る。【三須一紀】