【タシケント(ウズベキスタン)5日=盧載鎭、菅家大輔】ダブル・シンジの連動で、強敵撃破だ!

 今日6日に2014年W杯ブラジル大会アジア3次予選ウズベキスタン戦に臨む日本代表は5日、会場のパフタコル・スタジアムで最終調整した。FW香川真司(22=ドルトムント)がドリブル・スイッチを入れる直前に、FW岡崎慎司(25=シュツットガルト)が前線に飛び込む「香川スイッチ」で、確実に相手を仕留める。2人のあうんの呼吸から生まれる必殺技で、最終予選進出を引き寄せる。

 香川がエンジンをかける直前、岡崎が動きだす。2人の息がぴったり合った瞬間「香川スイッチ」が入る。ダブル・シンジが、一瞬の攻めで屈強な守備網を切り裂き、アウェー戦初勝利を狙う。

 岡崎

 真司(香川)はスイッチが入る独特な瞬間がある。あいつがバイタルエリアで前を向いてボールをもらって顔を上げる一瞬がその時です。僕は、そのスイッチが入るタイミングが分かるので、わずか先に前線へ走りだす。あいつの近くで僕が突っ込むと、守備も分散するし、あいつのドリブルも生きる。状況によってはパスも来るし、あいつはパスを出してから必ずワンツーを狙うので、僕も自分でシュートも狙いやすいし、さらにドリブルで仕掛けやすくなる。

 香川はスイッチの意識がないが、岡崎とのワンツーは常に狙っている。

 香川

 僕はボールを受けると、前に仕掛けることをまず考えます。でもいつも岡ちゃん(岡崎)がいい位置にいてくれて目に入るので、僕の選択肢が増える。スイッチは考えたことないけど、僕がボールを受ける前にちらっと相手を見る瞬間ですかね。

 2人の連係は、無尽蔵のスタミナを誇る北朝鮮をも息切れさせた。初戦の北朝鮮戦で、相手は後半20分過ぎから足をつる選手が続出。結局ロスタイムの猛攻と決勝点にもつながった。ダブル・シンジの怖さは味方が証言する。

 内田

 岡ちゃんが突っ込んで、真司が仕掛けるでしょう?

 守る側としては、たまったもんじゃない。それを90分間やられるわけだから、足がつるのも分かりますよ。常に緊張しないといけないし、体力消耗は当然激しくなるはず。

 指揮官も続く。ザッケローニ監督は「北朝鮮戦でロスタイムに点が入ったのは、前半からの攻めが効いたから。相手は常に失点の危機があったし、いつ点が入ってもおかしくなかった」と話した。

 精神力と体力の北朝鮮をスタミナ切れさせた2人の競演が、ボディーブローのように相手の懐をえぐり、最後はピッチに沈める。