日本協会が6日、宮城県内で行われる五輪代表強化合宿(9~11日)のメンバー22人を発表した。18歳のDF奈良竜樹(札幌)MF小林祐希(19=東京V)FW宮吉拓実(19=京都)の3人が初選出された。奈良は1対1に強いセンターバック。同代表では選手層が薄いポジションだけに、関塚隆監督(51)へのアピール次第で、飛び級でのロンドン五輪出場の可能性も出てきた。

 道産子奈良が、滑り込みでのロンドン切符を狙う。「突然の話でびっくり。緊張してます。一番年下なのでチャレンジャー精神で臨みたい」。昨年9月にはU-18代表としてタイ遠征を経験した北海道のホープが、アジアから一気に世界へ飛び出すチャンスを得た。

 札幌では高校3年だった昨季終盤からレギュラーに定着した。石崎監督の信頼も厚く、J1復帰した今季は、プロ1年目ながら開幕からリーグ4試合フル出場。関塚監督の御前試合だった4日のナビスコ杯横浜戦では同代表FW斎藤を抑えるなど、安定感あるプレーが選出につながった。

 同代表センターバックは新潟DF鈴木大、浦和の浜田らがいるが、鈴木は3月末に右膝靱帯(じんたい)損傷で離脱。バックアッパーも手薄なだけに、入り込む余地は十分ある。「みんな初対面ですが北海道土産は持っていかない。短期間で知ってもらうためサッカーに集中する」。社交辞令よりアピールに専念する。

 今春、早大人間科学部eスクール(通信教育課程)に進学した。しかも自称「筋トレマニア」で練習後に1時間半かけ、体を鍛え上げる。合宿に向け「強さだけでなく、周りの選手を動かせるような部分も出せたら」。身体能力と頭脳を生かし、早大の先輩でもある関塚監督のハートをゲットする。【永野高輔】

 ◆奈良竜樹(なら・たつき)

 1993年(平5)9月19日、北海道北見市生まれ。小2でサッカーを始める。09年に札幌国際情報高進学と同時に札幌U-18入り。昨年10月26日のJ2徳島戦でJリーグデビュー。J通算11試合無得点。家族は母親と弟。