<W杯アジア最終予選:日本1-0イラク>◇B組◇11日◇アルアラビ・スタジアム

 ブラジルにも、イタリアにも勝利を追求する!

 日本代表MF香川真司(24=マンチェスターU)が、コンフェデレーションズ杯(15日開幕、ブラジル)でのブラジル、イタリア、メキシコとの強豪3連戦に向けて、勝利にこだわりを見せた。日本代表は12日、ドーハからチャーター機でブラジル戦が行われるブラジリアに到着。11日のW杯アジア最終予選イラク戦で不発に終わった香川も、ブラジル戦へ気持ちを切り替えた。

 試合開始前の気温は37度、湿度12%。風速10メートルの砂交じりの強風…。厳しい環境下で戦い抜いたイラク戦で勝利を収めた後、試合を振り返った香川は最後に「次(コンフェデ杯)はまったく別ですから。すごく楽しみ。それに尽きます」と期待感を口にした。

 ブラジル、イタリア、メキシコ。現在のサッカーシーンを彩る強豪との3連戦。以前から「コンフェデ杯は最後は個人の部分。1対1でしっかりやれれば、必ずやれる。ブラジルにも、イタリアにも、勝ちにいきますよ。勝負にいく大会ですから」と力強く話していた背番号10にとって、心が躍らないはずがない。

 W杯優勝という夢を実現させるため、本田が追い求め、チーム全体に浸透し始めている「個」の重要性は、香川自身も十分に分かっている。自分の持つ「個」がどれだけ世界レベルに通用するのか。それを試して「現在地」を知るためにも、ブラジル、イタリア、メキシコなどの強国はうってつけの相手だ。

 イラク戦はトップ下で先発。前半は強い向かい風に苦しみながら、同26分にFW清武とのワンツーで好機を演出。トップ下でゴールに絡む持ち味の一端をうかがわせたが、本田のように「違いを生み出す」までには至らなかった。ゴールも奪えなかったため「結果として得点が生まれなかったのは課題。後半にギアが上げられなかったのも心残り」と反省した。

 W杯本大会まで、あと1年。高い目標に到達するために個人、そしてチームの成長を求められるが、時間は限られている。コンフェデ杯は、その成長速度が飛躍的に上がる可能性を秘めた大会。「もっとレベルアップしないとブラジル(W杯)は厳しいかなと思う。危機感を持って自分を磨きたい」。1年後、夢の舞台で日本を高みに導くためにも、まずはコンフェデ杯で爪痕を残す。【菅家大輔】