<国際親善試合:日本6-0ホンジュラス>◇14日◇豊田ス

 W杯以来約5カ月ぶりに戻ってきたDF内田篤人(26=シャルケ)が、何度も前線へ駆け上がった。代表引退も考えながら、再び日の丸のユニホームに袖を通し、90分を終えて言った。「ザックさんのときのメンバーが戻ってきたけど、やっているサッカーや戦術は違う。あれだけ上がることはなかった。ベンチからの指示も特になかったし、自由にやれた」。久しぶりの代表での充実感を抑えるように言葉を続けた。

 右サイドでコンビを組む本田との連係を強く意識し、気を配った。「僕が上がればDFを引き付けて(本田は左利きだから)シュートを打てる形にできる」とおとりを買って出た。一方で守備での負担も抱えた。前半41分に本田がゴールを決めたシーン。前線に残っていた本田にジェスチャーで伝えたという。「下がろうとしていたので、下がらないように手ではたいた。守備の負担を受け戻らないようにしてサポートできた」と攻守で支えた。

 悩みながら、国際Aマッチ72試合目。アギーレ体制では初出場だが「ポンッと入ってやれるような選手じゃないと。それも力だと思っているんでね」。簡単に言ってのけながら、アギーレジャパンにしっかりと、加わった。【栗田成芳】