日本代表は29日、千葉県内でアジア杯オーストラリア大会(来年1月9日開幕)に向けた国内合宿をスタートした。

 1トップ候補のFW豊田陽平(29=鳥栖)は、心配事を胸に合宿に合流した。初日の練習後、取材エリアで自ら切り出した。「母校の監督が事故に遭って…。命には別条がないということは聞いてますが、1日も早い復帰と回復を」と願った。

 全国高校選手権に出場する母校・星稜の河崎護監督(55)が交通事故に遭い、入院中。事故直後から関係者らと連絡を取り合い、情報を収集した。「(現役の)生徒も心配だと思うけど、一丸となって頑張ってもらいたい」と後輩たちも気遣った。

 日本代表に、同監督の教え子は本田も含め2人もいる。この日、顔を合わせた後輩の本田とも状況について話したという。

 「僕も大きなけがとかで入院したことがありますけど、今は自分のこと(回復)だけに集中してもらいたい。復帰してもらわないと、星稜が心配ですから」

 恩師に心配させず回復に専念してもらうため代表でも求められる仕事、FWとして点を取りチームを勝利に導く仕事を果たす-。それが、豊田にしかできない“お見舞い”になる。【八反誠】