浦和が17日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦アルカディシア(クウェート)戦でレーザービームの妨害行為に見舞われていたことが19日、分かった。GK都築龍太(30)らに対し、スタンドから2色のレーザー光線が浴びせられたことを前半途中にクラブが発見。即座にマッチコミッショナーに抗議したという。24日にホームで同第2戦を控える浦和の藤口社長はアウェー席で厳戒態勢を敷くことも示唆。また正式にJリーグを通じてアジア連盟(AFC)に抗議する可能性も出てきた。

 ACL初黒星を喫した浦和がクウェートで心無い敵サポーターの被害を受けていた。複数の関係者によれば、前半途中からアルカディシアのサポーターが陣取るスタンドから赤色と緑色の2個のレーザー光線が浦和守備陣に浴びせられたという。クラブ側がピッチ上の選手に確認。後半に入っても悪質な行為が止まらなかったため、試合途中でマッチコミッショナーに報告、抗議した。

 DF坪井は「自分は後半に1回だけ(レーザーを)受けた。妨害というほどでもない」と口にしたが、もっとも標的とされたのはGK都築だった。浦和の守護神の顔面に対し、何度も容赦ない2色の光線が照らされていた。クラブ運営担当者は「現場からの報告を受け、現地の警備隊が動いた。クラブの人間が後半途中に妨害した観客らしき人物を捕まえたところを確認した」と説明したが、レーザービームを発した“犯人”だったのかどうかは特定していないという。

 レーザー被害は6日のW杯アジア最終予選日本-バーレーン戦(マナマ)でも中村俊ら日本代表勢も受けたばかり。中東での相次ぐ悪質行為に、浦和の藤口社長は「レーザー被害が、本当ならばしっかりと対応しなければならない」と明言。Jリーグを通じてアジア連盟に抗議する可能性が出てきた。Jリーグも「もしクラブ側から正式に報告があれば検討していく」と説明した。

 24日にはACL同第2戦としてホームでアルカディシアを迎撃する。現在のところ、約150人の敵サポーターがアウェー席を確保している。クラブ関係者は「ホーム戦での被害の可能性はほとんどないだろう」との見通しを口にしたが、藤口社長は「きちんと聞いて調べたい」と、アウェー席の警備態勢強化も示唆していた。