ACL準々決勝で、Jリーグ勢同士の対戦が決まった。ACL決勝トーナメントの抽選会が29日、クアラルンプールで行われ、決勝までの組み合わせが決定。初タイトル獲得を狙う川崎Fは、9月23、30日に名古屋と4強入りを争うことになった。G大阪に続いてJクラブが相手だが、移動を考えれば朗報。リーグとの「2冠」を目指し、恵まれた組み合わせでハード日程の9月を乗り切る。

 練習中に対戦相手を聞いた関塚監督は、思わず「えっ」と声をあげた。DF伊藤主将は「海外に行きたかったのに」、FW鄭も「日本同士でつぶし合いたくなかった」。東アジアを勝ち抜いてのベスト8。準々決勝での西アジアとの対戦がかなわず、拍子抜けする選手も多い中、DF寺田は「日程を考えればいいんじゃないですか」。この日自慢の長髪をバッサリ切った34歳は「楽になりますからね」と前向きに話した。

 川崎Fにとって、9月は厳しい日程だ。上旬は日本代表が欧州遠征、12日のJ再開から鹿島、浦和、G大阪と強豪との対戦が続く。もし準々決勝で西アジア勢との対戦になれば、長距離移動に時差、気候など環境の違いとより厳しくなる。同じJクラブなら国内移動ですむし、精神的な負担も少ない。「そういう面はある」と、関塚監督も日程面のメリットを口にした。

 もともと、川崎Fは連戦に強くない。今季のJリーグで、中4日以上の試合は6勝2分けと負けなしも、中3日と2日では2勝1分け3敗。この1週間は若手の活躍もあってACLのG大阪戦とリーグの山形戦に連勝したが、決して選手層は厚くない。中3日以内での激戦が予想される9月を乗り切るためには、少しでも負担は軽い方がいい。

 「Jの代表としてアジアの頂点を目指すだけ」。関塚監督は、はっきりと言い切った。2年前の初出場時はベスト8で敗れた。今度はそれを上回る初優勝が目標だ。名古屋に勝てばベスト4、決勝の国立競技場が見えてくる。浦和、G大阪に続くJリーグ勢のアジア制覇へ向けて、川崎Fは厳しい戦いに挑む。