J2横浜FCのFWカズ(三浦知良、48)が栃木とのホーム開幕戦で、2試合連続でスタメン出場し、自身の持つJリーグの最年長出場記録を48歳0カ月17日へと更新した。前半ロスタイムに今季初シュートも記録。相手ゴールを脅かした。常に前向きなキングは、これまで通り、新体制となった日本代表入りへの思いもにじませ、貪欲にゴールを狙い続ける。

 カズの今季初シュートは、ドンピシャのヘディングだった。前半ロスタイムに左からのクロスに反応。スペースにうまく走り込み、空中でジャストミートした。少しコースが甘く相手GKの正面へ。好セーブもあり、はじき出されたが、決定機を演出した。歴史的ゴールまであと1歩。ピッチでは悔しがった。だが、シャワーを浴びて着替えた点取り屋は、笑いながらこう言った。

 「(シュートを)外したとは思いません。キーパーがセーブした。PKを失敗しても、キーパーが止めたということですから」

 悔しくないはずはないだろう。それでも常に前を向く。この発想、この言葉にこそ、48歳のプロ30年生が開幕から2戦連続でスタメン起用される理由がある。

 ハリルホジッチ監督が就任し、新たなスタートを切る日本代表入りの意欲も、一切変わらない。「みんなにチャンスがあると思いますし、自分もその中の1人。今日のような試合でゴールを決めてアピールしないと日本代表に選ばれるわけがありませんから」。ゴールを狙い続け、代表への意欲も持ち続ける。どこまでも貪欲。ゴールはそう遠くない。【八反誠】