J3福島はアウェーでYS横浜を破り、2連勝で4位に浮上。前半22分に新人DF星雄次(22=法大)がプロ初ゴールとなる決勝点を奪った。

 新人左サイドバックの一撃が、福島を連勝に導いた。前半22分、カウンターから味方がドリブルで相手ゴール前へ。全力でサポートに走っていた星雄にボールが渡ると「狙ってました」と右足を振り抜き、鮮やかにネットに突き刺した。横浜の下部組織に入った中学時代から何度もプレーしたニッパ球での決勝点。「ここで決めたのは初めてだし。両親が初めて見に来た試合で決められてうれしい」と喜びを爆発させた。

 デビュー戦の悔しさを晴らしたかった。豊富な運動量を武器に15日の開幕戦で先発に抜てきされたが、前半にオウンゴールで先制点を献上。黒星発進となった責任を感じていた。「どこかで取り返したいと思っていた。これでプラスマイナスゼロですかね」と胸をなで下ろした。

 約1カ月半前まで練習生で、ポジションも右サイドバックだった。2月からキャンプに参加した福島には、先に入団を決めていた双子の兄広太がいた。進路が決まらず不安もあったというが「どこでもいいからサッカーをやりたかった」と積極的な攻撃参加で猛アピール。2月19日に入団が発表され、クラブ初の双子Jリーガーが誕生した。手薄だった左サイドバックに転向して頭角を現すと、競争が激しくベンチ外が続いているMFの兄を一気に追い抜いた。「ポジションが違うのでライバルではないけど、先に決められたのはうれしい」と笑顔を見せた。

 J1神戸から加入したFW茂木を2試合ケガで欠きながら、新戦力の活躍で4位に浮上した。星雄は「目標のトップ5入りを達成したい」と力強く言った。最後にやってきた期待の星が、福島に活力を与え続ける。【鹿野雄太】

 ◆星雄次(ほし・ゆうじ)1992年(平4)7月27日生まれ。神奈川県出身。小2からつくし野サッカースポーツ少年団でサッカーを始める。中学で横浜ジュニアユースに入り、横浜ユースから法大へ。13年にデンソーカップチャレンジ関東選抜Aに選出された。170センチ、62キロ。家族は両親、姉、兄。