東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)の不敗記録が途絶えた。開始早々、相手DFがクリアしたボールが、味方選手に当たってこぼれてきた。GKをしっかりと見ながら、右足シュートでまたの間を通す先制点。わずか開始35秒の出来事だった。しかし、チームは逆転を許し今季初黒星。昨季から武藤が得点した公式戦は10勝5分けと15戦連続不敗だったが、ついに敗れた。

 「そういうときもくる」と受け止めながら、今季初黒星を喫し6日間での首位陥落に「ゴールをしてチームを助ける。それができず残念」。今季ここまでの4点はいずれもアウェーでの得点で、ホームの味スタでは初ゴール。勝利の歓喜を呼び込むことはできなかった。

 主導権をつかみ切れない展開。前半11分に同点弾を許し、相手3バック対策で東京も布陣を3バックに変更したが、武藤自身「(変わっていたことを)分かっていなかった。共通認識を持てていなかった」。走行距離12キロを超える運動量で、前線からプレスをかけ続けた守備は「はまらなかった」と、攻撃のスイッチは入りづらかった。

 それでもチェルシー正式オファーが表面化から2戦連発で、期待は膨らむ。「まだ1試合負けただけ」と上位戦線に踏みとどまるために、前を向き続ける。