待望の来日初ゴールを決めた横浜の助っ人FWアデミウソン(21)が、移籍加入後、9試合目となった公式戦でようやくゴールを決めた。

 MF兵藤のおしゃれなパスを、右足アウトにかけ、わずかにシュート回転させてゴール右隅に決めた。

 「体の向きを自分がシュートの打ちやすいように変えたかったけど、相手もいたのでそのまま真っすぐボールに入ってGKが取りにくいコースに蹴った」

 打ちやすい形でなくとも、キッチリと枠に入れてきた。瞬間の判断で窮屈なシュート体勢から、しっかりボールに変化をかけて流し込んだ。ここまで無得点だったことが信じられない瞬間的判断と、それを支える確かなテクニックの詰まった一撃だった。

 きっとここからゴールは増えていくとみる。技術はもちろんだが、姿勢がいい。試合後にはこう言った。

 「一般的にブラジルでは日本のサッカーはレベルが下だと思われているかもしれない。でも、実際にプレーしてみるとそんなことはない。まったくスタイルの違うサッカーをしている。日本はすべてが速く、ブラジルにくらべてダイナミックだ。パススピードや展開が速い。勉強になっている」と謙虚に語る。

 ブラジルの五輪世代の10番。日本でプレー機会を得てさらに成長し、母国開催のリオデジャネイロ五輪でヒーローになる可能性もある。王国の逸材の成長ぶりからJリーグの価値を見直す、そんな視点でプレーを追うのも面白い。