J2札幌が苦しみながらも、アウェーで勝ち点1を積み重ねた。6連勝中の好調金沢に引き分けた。前半9分、FW内村圭宏(30)の今季初得点で先制。同19分に同点に追い付かれ、後半は波状攻撃に遭ったが、粘り強い守備でゴールを守り抜いた。3連勝は逃すも、4月5日の東京V戦から5試合負けなし(2勝3分け)。勝ち点16で8位に順位を上げた。

 敵地での連戦を、上々の結果で乗り切った。前半9分、FW内村がJ2最少失点を誇る金沢の堅守をこじ開けた。右ショートコーナーから、MF堀米の右クロスを頭で合わせ先制した。「ゴメス(堀米)がイメージ通りのボールをくれた。後は決めるだけだった」。同19分にカウンターから金沢FW水永にヘッドで押し込まれ同点に追いつかれた。後半も波状攻撃を受けたが、粘り強い守備で、勝ち点1を拾った。

 本来なら3連勝がほしかったところ。当然、課題はあるがMF稲本は「アウェーで負けなかったことをプラスにとらえたい」と振り返った。中2日で迎えた連戦。終始、主導権を握った岡山戦と比べると、決定的なチャンスは少なかった。だが、前節まで6連勝と波に乗っていた2位の相手を止めたことは、大きな自信になる。

 これで今季は敵地5戦負けなし。26日の岡山戦後、チームは約6時間かけ、岡山からバスで石川に移動。宿舎到着は午後11時前と遅かった。27、28日と同行18人だけでのトレーニング。満足いくメニューをこなせるわけでなかった中での“勝ち点4”は意味がある。収穫をつかんだ上で、バルバリッチ監督は今後に向け「集中力を欠いているシーンがあった。疲れているときこそ集中力を持って臨まなければいけない」と、課題を挙げた。

 2週間で5戦を戦う過密日程。次は中3日で、5月3日にホーム磐田戦を迎える。MF稲本は「3バックと僕らボランチの間を使われた。そこの連係をもっと高めること。岡山戦ではできていたことだし、修正はできる」と前向きに話した。2位金沢との対戦後は首位との対決。ここで貯金をつくれれば、J1昇格への勢いは自然と、ついてくる。【永野高輔】