未来のなでしこ候補がピッチに“デビュー”した。J2札幌の女子チームとして4月に発足した北海道リラ・コンサドーレが4日、札幌市内で初の対外試合に挑んだ。中学1、2年生22人で構成されているチームは、高校生や大学生ら格上相手に4連敗したが、随所に潜在能力の高さを披露。5年後のなでしこリーグ1部を目指し、歴史的な1歩を記した。

 北海道リラ・コンサドーレのデビュー戦はほろ苦かった。北海道文教大明清高主催のフェスティバルに参加。30分1本を4試合戦った。11人で臨む初の対外戦は4連敗。白星を得られず、選手たちの表情は曇った。そんな悔しがる少女たちをよそに宗像訓子監督(38)は「上のレベルとどこまでできるかなと思ったけど、十分」と1人笑顔で手応えをつかんでいた。

 始動からまだ1カ月。3月まで8人制でプレーする小学生だった選手がほとんどで、広いピッチでの動きがまだ体に染み込んでいない。それでも体格差がある相手にドリブルやトラップなどで随所に潜在能力の高さを見せた。

 2試合目の帯広北高戦ではMF斉藤菜々香(北広島大曲中1年)が中央からGKの隙をつきゴール左隅にシュート。初得点を刻んだ。対戦した北海道文教大明清高の清野訓靖監督(32)は「体の使い方がうまい子や動きが速い子がいる。ヘディングして落下点にちゃんと入れるし、人に当たる力がある」と将来性を認めた。

 すでに強化策も視野に入れる。夏休みには道外遠征を検討している。「同年代と戦う機会が少ないので、刺激にもなるし、全国でどれだけできるのか試したい」と宗像監督。さらに今後は、Jリーグの女子チームが行う交流戦への参加にも前向きだ。

 初の公式戦は会長杯札幌女子サッカー大会(17日開幕、石狩市スポーツ広場)。増子晴奈主将(札幌厚別中1年)は「つなぐことができ、1点も決められた。コンサドーレの看板を背負っている。会長杯では絶対に勝ちたいです」と勝利を見据えた。来季から道女子リーグへの参入を予定しており、目標にしている2020年なでしこリーグ1部入りへの戦いがスタートする。最短で4年の道のりだが、有望選手が集まったチームには可能性が秘められている。【保坂果那】

 ◆なでしこリーグ 1部、2部、チャレンジリーグで構成する。1部は10チームで最下位は2部自動降格が決定する。2部、3部相当のチャレンジリーグともに優勝チームは自動昇格。入れ替え戦は1部9位対2部2位、2部9位対チャレンジリーグ2位。全国9ブロックの地域リーグ各優勝チームで、なでしこチャレンジリーグ参入希望チームから2チームまでが、チャレンジリーグ東西各最下位チームとの入れ替え戦に臨む。北海道からは今年からノルディーア北海道がチャレンジリーグに参戦している。