女子サッカーのプレナスなでしこリーグ2部に所属する日体大SC横浜が、プロ化へ移行することが、12日までに決まった。学生サッカー界初の試みで、近日中にも発表される予定だ。

 同チームは現在、大学生のみで構成されている。だが来季以降は学外にも門戸を開き、なでしこリーグ優勝へ向け強化を進めていく。ゲームや映像などを手掛ける大手企業フィールズがユニホームの胸スポンサーとして支援することも決定。移籍してくる選手や、有望な卒業生は同社もしくは大学職員所属として日体大とプロ選手契約を結び、リーグ出場が可能になる。

 日体大OGの、なでしこジャパンMF川澄、DF有吉らがいずれ加入する可能性もある。同大関係者は「将来的にはオール日体大が理想だが、なでしこリーグ1部で上位に行くには、まず他クラブの有力選手獲得に動きます」とした。

 昨季は女子大学選手権を制覇するなど、大学屈指の強さを誇る。昨季のなでしこチャレンジリーグ(2部相当)は2位。なでしこリーグ9位だった伊賀との入れ替え戦では1-2、0-2で惜敗した。今季は、新設された2部で5勝1分け2敗の勝ち点16で3位につけ、優勝なら自動昇格。2位なら入れ替え戦に挑む。

 すでになでしこリーグなどで戦っている卒業生の中には「プロ化になるなら育った大学でなでしこ上位を目指せればうれしい」と話す選手もいる。6月開幕の女子W杯カナダ大会を前に、女子サッカー界の新たな形が誕生する。

 ◆日体大SC横浜 85年創部。10年なでしこリーグ初参戦。今季から地域密着のため登録名を変更。女子大学選手権16回優勝は歴代最多。部員全員の試合出場のため、なでしこリーグ2部、関東大学リーグ、東京都リーグ、神奈川県リーグの4リーグに参加。サッカー教室を実施するほか、今年からU-15女子チームの横浜青葉ジュニアユースが下部組織になるなど、普及や育成にも力を注いでいる。監督は元日本代表で名古屋FW矢野貴章の兄・晴之介。