清水は横浜に惜敗し、5試合ぶりに黒星を喫した。1点を追う後半17分にFWピーター・ウタカ(31)が中央を突破し、左足で同点弾。助っ人の今季3号で試合を振りだしに戻したが、その2分後に一瞬の隙を突かれて失点した。3バックの新布陣は攻撃面で成果を挙げるも、守備は課題を克服できず。順位は16位とJ2降格圏を抜け出せず、苦しい状況が続いている。

 同点ゴールに沸いた清水サポーターの歓声が、一瞬でため息に変わった。1点を追う後半17分にFWウタカが中央を強引に突破すると、相手DF2人を振り切って左足で同点弾。しかし、反撃ムードもむなしく、一瞬の隙を突かれた。カウンターから右サイドを崩されると、10年まで清水に在籍した横浜MF藤本に決勝点を献上。ウタカの得点からわずか2分後だった。

 この日の敗戦で横浜にはリーグ戦6連敗とまたしても勝てなかった。大榎克己監督(50)は「後ろの選手を代えなければいけなくなり、苦しかった」と唇をかんだ。前半18分にDF平岡康裕(28)が負傷退場。ケガで早々に交代枠を使う状況はこの日に限ったことではない。G大阪戦ではDF犬飼が負傷し、広島戦ではMF村田が肉離れで交代。鳥栖戦でもMF村松が腰を強打して退場した。

 負傷者が続出し、DFヤコビッチの出場停止も重なったことで3バックの布陣となった山形戦から5試合連続で守備陣が入れ替わっている。MF六平光成(24)は「それを言い訳にしたら勝てない」と話したが、毎試合守備陣が変われば微妙なズレも生じてくる。

 攻撃面ではFWウタカを中心にチャンスを多く作れているだけに、歯がゆい状況だ。得点数では3位の広島と同じ15得点を挙げている一方で、失点数はワーストタイの20。攻守のバランスの悪さが全てを物語っている。

 ウタカは「失点を減らすことが第一。そこを修正すれば問題はない」と前を向いた。順位は16位と降格圏を抜け出せず、最下位の甲府とは勝ち点1差。苦しい状況に変わりはないが、今は耐えてやり続けるしかない。【神谷亮磨】