夏男の本領を発揮した。川崎FのFW大久保嘉人(33)が清水戦で2得点を挙げた。前半11分、MF森谷のパスを右足で押し込むと、2-2で迎えた後半26分には、MF田坂のクロスに対して右足で振り抜いて勝ち越し弾。ロスタイムに左足を痛めて担架で退場したが、取材エリアには歩いて現れ「左足首とひざがしびれて感覚がなくなって…。これが前十字靱帯(じんたい)か、と思ったけど、恥ずかしいぐらい大丈夫でした」と笑顔を見せた。

 第2ステージ3試合でゴールから遠ざかっていた。3年連続得点王を狙える位置も、G大阪FW宇佐美らライバルとの差が広がっていた。それでも「まだ十数試合あるしまったく焦ってない」とけろり。前節の柏戦は完封負けし「こんなサッカーをやるために残留したのではない」と後ろ向きなプレーが目立ったチームに活を入れた。この日は持ち味の縦への意識が徹底されていた。

 13年には8月に4戦連続得点を挙げるなど「夏は得意」と自負する。「きょうもハットトリックを狙ってた。これからどんどんいきますよ」。梅雨が明け、3年連続の得点王へエンジンがかかってきた。【岩田千代巳】